あらわれれば消えるもの(2)

 

 

 

自分の感情を大切にしてあげること。自分の五感を大切にしてあげましょう。

 

 

 

チャネルがひらいた1986年頃、私は、北海道の函館市の小さな喫茶店でお茶をいれたり、リーディングをしたりして働いていました。

 

 

 

お店には、母とつくりあげた、妖精さんたちをイメージしたオリジナルパフェなどがあったんですよ(笑)

 

オーダーして頂いたら、聖母のミニリーディングがおみくじみたいに、ついていました。皆さんに楽しんで頂いていました。

 

 

 

メニューには、そんな妖精メニューだけでなく、ベーシックなトーストや、ホットサンドもあった為、それ用に必要なパンは近所のおいしいパンやさんが毎朝焼いてくれていました。

 

 

 

ですから、焼きたての、まだあたたかいトースト用のパンを毎朝パンやさんに、受け取りに行っていたのです。

 

 

 

ある時、友人が悩んでいて、開店少し前にお店にやってきました。かなり苦しい状態でお茶を飲みにきてくれていたようでした。家族とうまくいかず、ケンカしたまま 来たのだそうです。

 

 

 

ちょうどその時、パンを受け取りにいく時間が来ていましたが、開店直前に 私の手が離せない事ができてしまい、困っていると、その友人がお使いを買って出てくれて、パンを受け取りにいってくれる事になりました。

 

 

 

朝に受け取りに伺うこのパンやさんは、

とてもやすらぐパンやさんで

私は大好きでした。

 

 

 

一日に何度もお店の奥でパンを焼いているので、お店に入ったとたんに、ふわりと焼きたてのパンの香りに包まれるのです。

 

 

 

毎朝、パンを受け取りにいって袋につめていただく間、ほんの少しの時間ですが、その香りに包まれるのが私は大好きでした。

 

 

 

ああ、なんていい香り。

今日もできたて、焼きたての、

なんて、あったかい香り。

なんて、幸せな気持ちになる香りなんだろうと、毎朝ちょっと得した気分になるのでした。

 

 

 

その近所の幸福なパンやさんへ行ってくれた友人が、数分後 パンを大事そうに抱えて戻ってきて、ニコッと幸せそうに笑って戻ってきました。

 

 

 

私が、パンを受け取りつつ

「ありがとう、どうしたの?」と聞くと、

「次にチャンスがあったらまた行きたい。またお使いにいかせてほしい」というのです。

 

 

 

友人もまた、私と同じで あの焼きたてのパンの香りに、深い幸福感を味わったのだそうです。

 

 

 

「すごく、オーバーに聞こえるかもしれないけど、あの焼きたてパンの香りに包まれたら、

 

 

『生まれてきてよかった』って、何故かほっとしたんだよ。変だよね』

 

 

と笑っていました。

 

 

 

私も、そんな幸福感を味わっていたので、その友人の気持ちはちっともおかしいとは感じませんでした。

 

 

そういう友人に、胸がなんだか、あたたかくなりました。

 

 

今でも、焼きたてのパンの香りを感じると、私はこの友人の幸福そうな顔と言葉を、思い出します。

 

 

 

今思うと、あれこそが五感を幸福にする

五感天国(ヘブン)でした。

 

 

 

友人はきっと、鼻ではなくハートであのあたたかい香りを味わっていたのです。

 

 

苦しんでいたからこそ、余計

あのあたたかい香りがいのちにしみたのかもしれません。

 

 

 

鼻で、かいでいただけならば、「うん、パンの香りいい香り」だけで通りすぎるのに、深いところで香りを味わっていたから、

 

 

 

「生まれてきてよかった」という感覚がわくまでに、パンの香りが存在の芯をやさしく癒してくれたのですね。

 

 

焼きたてのパン香りが、快いと感じ、ハートをひらき、香りを通して、胸を満たした友人は、自分の輪郭の中に、幸福感が広がるあたたかい香りをからだ一杯味わって、幸せな波動を内側に響かせていたのでしょう。

 

 

焼きたてのパンの香りに包まれるという、一瞬のあたたかさが、じーんといのちに 鳴り響いたのです。

 

 

その香りひとつにほっとして、

 

「生まれてきてよかった」と、

 

自分で自分を肯定できる周波数まで、波動をあげて、香りを通して、自分を救ったのです。

 

 

 

ハートで味わう、焼きたてのパンの香りを使って、友人の神性が、「ほら、自分を愛し、自分を肯定する」とは、

 

こんなふうに胸がほっとする

 

この周波数ですよと、あたたかいパンの香りを通して、運んでくれたのです。

 

 

あの時、友人は 「自分を肯定し、愛するエネルギー」を香りを媒体にして、自分に注ぎこんだのです。

 

 

大好きだな!この香り、と そのあたたかい香りに溶け込むことで一瞬にして波動をあげ、

 

 

自分を肯定し、愛する周波数へとひきあげられたのですね。

 

 

焼きたてのパンの香りの中の幸福感に、共鳴できるあたたかい心があれば、

 

 

そして、自分はこの香りが 大好きだといえる 素直さがあれば、波動は自然にあがってゆきます。

 

 

 

戻った友人の中にはもはや、家族とのいざこざで混乱した感情は、綺麗に消えており、幸福感だけが残っていたのです。

 

 

パンを買いにいっだけで、苦しい もやもやの感情が消える!?

 

 

ハートのチャンネルを使えば、そんなことが実際に起こるのです。

 

感情が融ければ、物事は自然に波動をあげて動きだします。

 

 

 

そう、波動を変えるのに、難しいことはひとつもないのですね。