怒りの下にある綺麗な気持ち

fd128_l はな ばら

 

 

 

ヒーリングが起こる時

 

 

 

 

 

ある時、一人の女性がこんな尊い体験を分かちあってくださいました。人生がとても辛く感じ、苦しいので、今までの自分を変えたくて、その女性はヒーリングに興味を持たれたそうです。

 

 

美しい精神世界の始まりですね。

 

 

さまざまなきっかけから、私達は自らの内側に意識を向け始めます。

 

 

 

その女性はたくさんの癒しについての本を読み、情報を集めて自分を癒すものを一生懸命探されたのだそうです。そして女性が始めたのは、子供時代にまで記憶をさかのぼり、癒されていない自分の心を優しく癒してゆく、「インナーチャイルドワーク」と呼ばれるものでした。

 

 

 

子供の頃に形成された心の傷やブロックに気がついてほどいてゆくセラピーです。

 

 

 

その女性はまず、思い出せるだけ、自分の過去をふりかえってゆきました。

 

 

 

子供の頃を思い出し、その頃の情景を心に浮かばせ、思い出されてくるものを見てゆきました。

 

 

すると、思い出すたびに、胸がぎゅっと冷たくかたくなり、何とも表現しがたい嫌な気持ちが心の中に広がるのを感じました。

 

 

それにふれて感じてみると、それはどうやら怒りの感情であることがみえてきました。

 

 

 

そのなんともいえない嫌な感覚は、いつも、人を愛そう、あるいは愛を受け取ろうと、愛に向かって心を動かすといつもむくむくわいてくる「嫌な感じ」で、愛を感じると同時に何故か素直になれず、ぎゅっと心がかたくなる原因であることにも、女性は気づいていったのです。

 

 

そして、さらに深く見つめてみると、その怒りのエネルギーはいつも、ある特定の人に向いている事に気がついたのです。

 

 

 

その怒りの矛先は、その女性のおかあさまと弟さんに向いていました。

 

 

 

子供の頃からその女性の目には、おかあさまが弟ばかりを大事にするように見えていたのだといいます。

 

 

 

例えば、子供の頃  弟さんとおもちゃのとりあいになった場合、それは自分のおもちゃなのに、奪おうとしたのは弟なのに、おかあさんはいつも「お姉ちゃんなんだから、我慢しなさい」とおもちゃは弟にあげてしまいます。

 

 

これは、よくあることかもしれませんね。

 

 

お姉ちゃんだからという理由で、いつも我慢させられ、いつも損をするのは自分、そう感じていたのです。

 

 

弟ばかりがいつも、回りの愛と注目を集めて幸せにみえる。

 

 

 

そんなエピソードが次々思い出されては、彼女は凍結されていた怒りが溶けだしたように、怒りを覚え直したそうです。

 

 

 

彼女は怒りが激しくてすっかり嫌気がさしてしまい、インナーチャイルドワークは中断。

 

 

 

日々、わきあがる怒りをなんとか浄化しなくてはと、彼女はある雑誌にのっていた私の記事を見つけて下さったといいます。

 

記事には、私のこんな内容のメッセージを読んで下さったそうです。

 

【心の中の本当の事を、喉をつかって声を出し、伝え始めると、滞ったエネルギーが解放されて、状況にも光が伝わり、あたたかな癒しがもたらされるのです。】

 

 

そう伝えていた私のメッセージを見つけてくださり、頷いて下さったのだそうです。

 

 

 

これだ!と、彼女はずっと自分の中に抑圧され続けたものを、勇気をだして表にだそうとコミュニケートを始めたのです。ヒーリングが起こると信じていたからです。

 

 

 

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本当の気持ちとは

 

 

 

 

「おかあさん、私はずっと今日まで怒ってきたの。私は子供の頃からずっと我慢してきたの。おかあさんが弟ばかりかわいがるから、私はとても傷ついたの。あやまってほしいの!」

 

 

 

女性は自分の中の怒りを解放する為に、そのまま、「怒り」を語らなければならないと思ってしまったのです。私の本音は怒りなんだと!

 

 

 

 

ところが、状況は癒されるどころか、逆の事が起こってしまいました。

 

 

 

おかあさんは当然、娘を愛していて、そんなつもりはなかったので、びっくりなさり激しく動揺なさると共に、いきなり何なの?と怒りもでて、親子の間が以前よりギクシャクしてしまったのです。

 

 

 

そう、怒りをぶつけると、相手を傷つけるか、やっぱり同じだけの怒りで返ってきてしまいますね。

 

 

 

これは、癒しを望む心さんがよく間違えやすい ひっかけ問題なのかもしれませんね。

 

 

 

【本当の心を語るとヒーリングが訪れます。】これは本当です。

 

 

しかし、お人の心の状況によっては、何が自分の【本当のこと】か見えていない事があるのです。

 

 

怒りは、本心ではないのです。

 

 

怒りのエネルギーは、大切なものを覆うカバーのようなもの。

 

 

一番ピュアで美しいものを隠す為に、使っているエネルギーなんです。つまり、怒りがあるところには、必ず「とてもピュアで透明な綺麗な気持ち」が隠れています。

 

 

 

 

sd138_l いめーじ みず

 

 

私は【愛されたかった】という優しい希望

 

 

 

心の奥に怒りを見つけたからと、「私は怒りを感じている」「私はあなたが嫌い」その怒りが自分の本心だと勘違いをしてしまう方はとても多いです。だから、怒りを外にぶつけてしまうことがあります。

 

 

 

 

けれども、それはあまりうまくいかない事が多いでしょう。本当に伝えたいのは、怒りではないからです。

 

 

 

心のあたたかい所から、やり直す

 

 

 

私はご縁の糸にひきよせられ、当時のこの一生懸命な女性と自然な形で、出会わせて頂きました。

 

 

 

 

そして、お茶などをご一緒させて頂く中で、その一連のお話をひとつひとつお聞きし、頷きながら、受け止めさせて頂きました。

 

 

 

そして、こうお話したのです。

 

 

 

「怒りはね、本心をかくすカバーのようなもの。その下にこそ、あなたの本当の気持ちが隠されているんですよ。

 

 

何故、怒っているのか?

何がこないから怒ったのか?

あなたには理由があったでしょう?

怒りには必ず理由があるから、怒りの下に本当のあなたの気持ちがあるはずですよ。

それは、どんな気持ちなのか?それは大抵、とても綺麗な けなげな気持ちである事が多いのです。その奥の綺麗な気持ちの方が本当の気持ちなんですよ。おかあさんに届けたいのは、そちらの方だったはずよ。」

 

 

 

すると、女性はびっくりした顔をして、ふっとしばらく考え込むような表情をし、それからハッとした顔をして、はらはらと涙をこぼされました。

 

 

 

見ているだけで、わかります。

 

 

 

透明で濁りのない、きれいな涙でした。あたたかい涙でした。

 

 

心が安心を見つけた時、ほんのりピンクの頬に流れる澄んだ涙です。

 

 

 

激しい怒りで、彼女がずっとコーティングし、かくし続けてきた本当の心、それは・・・。

 

 

 

 

『愛されたいという気持ち』でした。

 

 

 

大好きだから・・・。

 

 

 

おかあさんが大好きだから、私もおかあさんに愛されたかった。

 

 

 

大切にされたかった。

 

 

私も大事にされていると 感じたかった。

 

 

 

弟も大好きだから、心通わせたかった。でも、そうできない自分が苦しい。

 

 

 

二人が、大好きで 大好きで、たまらないから、素直に大好きだって本当はいいたかったけど、できなかった。

 

 

 

大好きだから、愛されたかった。それが、伝わらないから、苦しくて、怒りになっていただけなのです。

 

 

 

「今ならわかりますよね?その純粋な気持ちがあなたの本心なんですよ。あなたの本心は怒りではなく、その下のお気持ちなんですよ。」

 

 

 

「どうしよう、私」

彼女はおかあさんを傷つけてしまったことを悔いて顔を覆って泣きました。

 

 

 

癒しに遅すぎる事なんてない。

 

aj032_l はな

 

 

 

 

「大丈夫。

そのまま、その純粋な気持ちを伝えてごらんなさい。ヒーリングに遅すぎるなんて事はないから。」

 

 

 

彼女は何度も頷いておられました。

 

 

 

 

おかあさん、大好き。

おかあさんに喜んでもらいたかった。

 

 

 

ー熱い涙があふれて・・。

 

 

 

 

大好きだから、愛されたかった。

おかあさんの役にたちたかった。

 

 

 

『愛されたくて、

でも伝え方がわからなくて、

うまく通じあえなかった心を、

とてもさみしく感じていたの。』

 

 

それが彼女の本心でした。

 

 

 

彼女はそれをおかあさんに伝えにいきました。たどたどしくて、うまくできそうになかったけれど、正直に、ぶかっこうでもそのまま、ハートからの気持ちを。

 

 

 

おかあさんに、怒りではなく、愛を伝えたのです。

 

 

 

 

すると彼女の純粋さと、素直でピュアな気持ちは、おかあさまの魂にも癒しの共振を起こしました。

 

 

おかあさまにもヒーリングの波が広がったのです。

 

 

実は、おかあさまもまた、傷ついていて、子供たちが小さいうちから、自分は よい母親じゃないんじゃないかと、どこかで子供達に疎まれているのでは?嫌われているのでは?と怯えていらしたのですね。

 

 

 

おたがいにさみしくて、自信がなくて、愛されていないのでは?と怯えておられたのですが、愛の伝え方が誤作動を起こしていただけで、お互いに愛されていたと、心にあたたかみが伝わったのです。

 

 

 

一人が自分の本心から目をそらさず、真実を表現し、愛のエネルギーを流れさせると、深い所から滞っていたエネルギーが解放されるので、すっきりして、優しい奇跡は起こるのです。

 

 

彼女は親子で、ヒリヒリからではなく、あたたかい安らぎのエネルギーから 出会い直したのですね。

 

 

愛は、遮断ではなく、離れ、遮られていた2つのものに、優しい橋をかけるのです。

 

 

怒りや文句や嫌悪は、自分を守るカバーのようなものです。

 

 

 

それが心に感知されているなら、その奥には必ず、純粋でけなげで優しい、あなたの本当の気持ちがそこにあります。

 

 

 

怒りや恨みの奥には、必ず優しい気持ち、優しい願いが隠れているものです。

 

 

その自分の心に素直になると、とても美しい癒しが起こります。

 

 

 

一人に芯から癒しが起こると、自分だけでは終わらずに、関わるすべての人のハートからハートへと、さざ波のように癒しの力が広がるのです。

 

 

本当の気持ちのある、あたたかい場所で、愛する人と出会いなおせる幸せ。

 

 

それはあなたと愛する人々に優しい橋をかけてくれます。

 

 

そして、世界は優しくなるのです。